2018年に発売されたiPhoneシリーズ、iPad ProシリーズからTouch IDが消滅し、Face IDによる顔認証だけになりました。
今年がいろいろな買い替えタイミングだったのもあり、僕はiPhoneもiPad Proも購入しました。カードの請求は見たくもないです。
周囲はTouch IDのiPhoneを使っている人が多いんですが、XSやXS Maxに移行を検討しているが、実際Face IDってどうなの?と思っているらしく、いろいろと質問されました。
もちろん、Face IDに限らず何にでもメリット・デメリットはあるものですが、Face IDについては良くも悪くも誤解された情報が多いようで、ビックリするようなことを質問されました。
ということで、Face IDにまつわるよくある質問に回答しようと思います。
Face ID端末に移行を検討している人や、Face IDについてイマイチよくわかってないという人向けの記事です。
Face IDはマスクをつけていると使えない?
まず、 Face IDが酷評される理由ナンバーワンであると思われるマスクについてです。
結論を言うと、現時点ではマスクをつけていると認証できないです。
ただ、鼻を出して口元だけにマスクをした状態であればFace IDを機能させることが可能ではあります。
でもそれは、認証の度にマスクを口元までずらして鼻を出すような感じにする必要があるということなので、マスクをつけた状態で認証できるとは呼ばないと個人的には思います。
鼻を出してマスクをつけるのがデフォルトですという人がもしいたら、その人にとってはマスクをつけていてもFace IDは使えると言っていいでしょう。
ただ、そんなマスクの付け方をする人僕は見たことないですけどね。
ちなみに、マスクって健康面での効果ってそんなにないようなので、みんな顔を隠すために使っているようですね。伊達マスクと言うそうですよ。
まあ、いずれにしろこんなにマスクが大好きなのは日本人だけですし、世界的に展開しているiPhoneがマスクを考慮する合理的な理由はなさそうです。
なので、「Face IDがマスクに対応しました」という事は残念ながらきっとないでしょう。
もうひとつの容姿を設定してもマスクはダメ
iOS12では、「もうひとつの容姿を設定」というメニューが追加されています。
これはFace IDでロック解除できる顔をもうひとつ登録できるという機能ですが、これを使ってマスク姿を登録すれば、マスク姿でも認証を突破できるという情報があるようです。
結論から言うと、これは嘘です。
マスクをした状態でFace IDの設定をしてみればわかります。このように言われて登録できません。

ということで、残念ですが現時点ではマスクをつけた状態での認証は諦めてください。
まあ多分そのうち違う認証方式になるとは思うので、その時にはマスクでも使えるようになっていることを期待します。
メガネやサングラスをかけているとFace IDは認証できない?

これもよくある質問のひとつですが、メガネやサングラスをつけていても認証可能です。
ただ、釣りをする時などによく使われる、偏光サングラスはFace IDが認証するために使っている赤外線が遮られる可能性があるようで、その場合は認証できなくなります。
このように、メガネ・サングラスの形状やレンズなど様々な要素により、認証しづらくなる場合はあるようです。
メガネやサングラスについては、僕がかけないので正直よくわかりません。
暗闇でFace IDは認証できない?
Face IDは暗いところでも「使えます」
これは赤外線照射によって実現されています。
どの程度の暗さまで大丈夫かの具体的な数値を持っているわけではないですが、夜、寝室の電気を完全に消し、真っ暗の状態でiPhoneを使おうとした場合でも認証できます。
光が一切ない環境でどうなるかは知りませんが、電気を消した寝室で認証できるのであれば生活する上で困ることはないんじゃないですかね。
Face IDを使用するにあたって、明るさや、屋内・屋外であることが問題になることはありません。
Face IDは目をしっかり開けていないと認証できない?

これもよくある質問ですが、半分正解で半分間違いです。
これは設定の問題です。
デフォルトでは「目を開けていなければ認証できない」設定になっています。
これはセキュリティ上の問題で、目を閉じていても認証できるようにすると、例えば、寝ている間に第三者にiPhoneを顔に向けられるとロック解除できちゃいます。
Touch IDは寝ている人の指を使えばロック解除できちゃいますが、Face IDで注視が必要な設定にしておけば寝ている時に第三者にロック解除される心配はありません。
例えば、薄眼を開けた状態や、寝起きで目が開けられないという状態でも認証したいという場合は、この機能をOFFにしておくと認証が成功するようになります。
とはいえ、セキュリティレベルが下がることにはなるので注意が必要です。
端末を横にすると認証できない?
これは現在発売されているFace ID搭載iPhoneである、iPhone X、iPhone XS、XS Max、XRに関してで言うと、「認証できない」です。
端末を横にした状態をランドスケープと言いますが、この状態で認証をすることはできず、縦の向きにした上でFace ID認証をする必要があります。
これは、よく横向きで使用する人にとっては不便でしょうね。
これはソフトウェアで解決できない問題のようで、新しい端末になるまで期待できないと思われます。
ちなみに、iPad Proはハードウェア的に対応しているので、横に向けた際のFace ID認証も可能です。
ベッドで横になっていると認証できない?
これも何か誤解があるような気がしますが、ベッドで横になっていても認証できます。
恐らく、布団を口元までかけていたり、横向きになって枕に顔をうずめるようにした状態だと認証が失敗するということなのだと思います。
布団を口元までかけると顔が隠れてしまうので認証確率は下がります。
また、横向きになっている場合は、枕に顔を押し付けていることにより、顔の形が歪んでしまっている可能性があります。そうした場合も認証確率は下がると思います。
つまり、横になっていることが問題なのではなく、結局のところ顔を隠してしまっていたり、形が変わってしまっていることが問題です。
仰向けになっている、あるいは、顔が隠れたり歪んだりしていなければ、ベッドで横になっていてもFace ID認証は可能です。
iPhoneを寝かせるとFace ID認証できない?
これは「角度」によります。
Face IDはTrueDepthカメラというものを使っており、iPhoneの「ノッチ」部分に設置されています。
このTrueDepthカメラの画角(写る範囲)は、フロントカメラとほぼ同じです。
iPhoneを顔に対して垂直にしている場合は、TrueDepthカメラが顔を完全に捉えているので、腕を伸ばしてかなりの距離をとっても認証できます。
ただ、iPhoneを寝かせると、TrueDepthカメラが顔を捉えられる範囲が変わります。
フロントカメラで撮影状態にして、垂直にiPhoneを構えた場合と、iPhoneを寝かせた場合とを比べてみるとわかりやすいと思います。
カメラに顔を捉えられている範囲が認証可能な範囲です。
つまり、カメラの画角内に顔が入っているかどうかが問題ということですね。
そのため、認証できないということはないんですが、顔に対して垂直にiPhoneを持っている状態に比べたら、認証しづらくなるのは間違いないです。
これが不便なのは、コンビニなどで電子決済を使う時ですね。
読み取り端末にはだいたいの場合iPhoneを寝かせて「かざす」必要があるので、その角度によってはカメラの画角に顔が入らず、認証しづらくなります。
Face IDは写真で認証できてしまう?
顔登録した人物の写真で認証できるかどうかという話ですが、これが出来ちゃうレベルの認証機能をAppleがiPhoneに搭載するわけはありません。
もちろん不可能です。
3Dで顔をマッピングしているので写真では認証できないようになっています。
ちなみにFace IDは現在最も複雑な顔認証技術を使っているもののひとつだそうです。
Face IDは親子、兄弟、双子なら認証できてしまう?

顔が似ているとロック解除できてしまう可能性があることをAppleも認めていましたし、世界的にも実際に報告されているようです。
僕は大丈夫でしたが、瓜二つの親子や兄弟、特に一卵性の双子はロック解除できちゃう確率が高いでしょうね。
ちなみに、Face IDは他人の顔では100%ロック解除できないのかというと、もちろん100%ではありません。何事にも絶対なんかないんですね。
他人にロック解除されてしまう確率は100万分の1くらいだそうです。
まあ、こんな確率はそうそう起こることではないですし、Face IDでロック解除を5回失敗したらパスコードでないとロック解除できなくなります。
なので、他人にFace IDでロック解除されてしまうことはほぼないでしょう。
Face IDは学習するのでヒゲやメイクにも対応できる

意外と知られていないのがFace IDは「学習」するということです。
最初に顔を登録しますが、このときに登録した情報をずっと使っているわけではないです。
朝になれば顔はむくみますし、日焼けして黒くなることもあるでしょう。ヒゲも伸びるだろうし、女性であればメイクもしますよね。
このように、顔は状態を変えるものなので、登録時の顔情報だけでは機能しません。そのため、学習を繰り返してどんどん情報に変更をかけていくわけですね。
そうすることで、顔に変化があったとしても認証できるようになります。
顔認証が失敗すると、パスコードでのロック解除画面になりますが、ここでパスコードによるロック解除をすると学習するようです。
なんか顔が少し違うから顔認証は失敗したけどパスコードでロック解除できたから、さっきの顔は持ち主の顔なんだな。じゃあ覚えとくか。
みたいな感じですね。
まとめ:Face ID認証について

このようにTouch IDとFace IDではその認証方法が大きく異なるので、使用感がかなり違うものになってます。
僕は自身の体質による問題からTouch IDが全く使い物にならなかったので、Face IDのいろいろなデメリットを考慮しても最高としか思ってません。

ただ、一般的に見れば、良くなったところもあれば悪くなったところがあるのも事実で、特にマスクに関しては不便に感じる人が多いでしょう。
そういった意味では今後に期待ですね。
ただ、そもそもセキュリティ機構というのは、ある程度、利便性を犠牲にするものだと思います。
極端に言うと、最もストレスなく使えるのは「何のロックもかかってない」状態だし、最もセキュリティレベルが高いのは「誰もロックを解除できない」状態だと思うので。
まだしばらくは、どんなセキュリティ機構が出てきても、このトレードオフからは逃れられないんでしょうね。
まあ、究極的にはどんな認証も何とかして突破できてしまうものではあるので、なんかもうパスコードでいいんじゃないか・・という身も蓋もないこと言った上でこの記事は終わりにしたいと思います。
何かの参考になれば幸いです。ではまた。

